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Netflixのカルチャー

エンターテインメントは、いわば友情と同じように、人生において不可欠なものです。エンターテインメントを通してさまざまな感情を体験することで、人とのつながりが生まれます。Netflixは、世界中にエンターテインメントを届け、世の中がもっと笑いや共感、喜びに満ちた場になることを願っています。

この願いを実現するために、Netflixには少し独特ではあるものの、私たちが誇りを持っている企業文化が根付いています。ここではそのカルチャーについて、ご紹介します。

Netflixに限らず、優良な企業というのは最高の人材を雇い、個人の誠実さや優秀さ、周囲への敬意やインクルージョン(個々の違いを尊重し受け入れる姿勢)、そして協調性を重視するものです。これらに加えて、Netflixではさらに次のような点を大切にしています。

  1. 社員一人ひとりの自立した意思決定を促し、尊重する
  2. 情報は、広く、オープンかつ積極的に共有する
  3. とことん率直に意見を言い合う
  4. 優れた人材でチームを構成し続ける
  5. ルールをつくらない

Netflixでは基本理念として、「プロセスより社員を重視」という考え方を掲げています。この考え方を追求した結果、Netflixでは優秀な個人の集団がひとつのゴールに向かうドリームチームとして働いています。こうした理念が、Netflixに柔軟性や楽しさ、刺激、創造性、協調性、そして最終的には成功をもたらしてくれるものだと信じています。

重視されるバリュー

多くの企業にはバリューステートメントがありますが、そこで語られるバリューは往々にして曖昧で忘れられがちです。その会社が実際は何に重きを置いているかは、どんな人が評価され、どんな人が会社を去るかで示されます。以下は、Netflixで働く私たちがどんな行動やスキルを重視しているかをまとめたものです。自分に当てはまるバリューが多いほど、またこういった資質が一緒に働きたい人の理想像に近いほど、Netflixはあなたの活躍の場として適しています。

判断力

  • 不確かな状況でも賢明な判断ができる
  • 表面的な問題に対処するだけでなく、根本的な原因を突き止められる
  • 戦略的に考え、自分が何を目指し、また何を意図しないかをはっきりと伝えられる
  • 自分の直感をデータを使って説明できる
  • 短期的でなく長期的な視点から判断を下せる

コミュニケーション

  • 会話でも文章でも、自分の考えを簡潔にはっきりと伝えられる
  • 人の話をよく聞き、きちんと理解してから応じられる
  • ストレスの多い状況でも平静を保ち、明晰に考えられる
  • 自分の母語が通じない相手とでも、コミュニケーションのとり方を調整しながら一緒に仕事ができる
  • 率直で有益なフィードバックを、的確なタイミングで仲間に伝えられる

好奇心

  • 物事をすばやく飲み込み、熱心に学べる
  • 自分の専門外でも効果的に貢献できる
  • 他の人が見落としがちな物事の関連性に気が付ける
  • 世界中のNetflixメンバーについて理解を深めようと努め、いかにNetflixを楽しんでもらえるかを追求できる
  • 自分とは異なる見方がないか探せる

勇気

  • Netflixにとって有益であれば、言いにくいことでも自分の考えを伝えられる
  • 難しい決断もためらわずに下せる
  • 失敗を恐れずに賢くリスクをとれる
  • Netflixのバリューにそぐわない言動には異議を唱えられる
  • 真実を見極めるためには、批判を受けることもいとわない

情熱

  • 飽くなき向上心で周囲の士気を高められる
  • Netflixメンバーのことを大事に考え、Netflixの成功に注力できる
  • 粘り強く、ポジティブに取り組み続けることができる
  • 自信を持ちながらもひけらかさず、謙虚な姿勢を見せられる

無私の心

  • 自分や自分に近しい人にとっての最良ではなく、Netflixにとっての最良を求められる
  • 優れたアイデアを柔軟に取り入れられる
  • 大切な仲間をサポートするために時間を割ける
  • 情報はオープンかつ積極的に共有できる

イノベーション

  • 将来的に役立つ新しいアイデアを生み出せる
  • 難しい問題を解決するために、視点を変えて捉え直せる
  • 当たり前と思われていることに異議を唱え、より良いアプローチを提案できる
  • 会社全体の機動性を上げるために、複雑化を避け、仕組みを単純化する努力ができる
  • 変化を楽しむ

インクルージョン

  • 多様なバックグラウンドや文化を持つ仲間と協力して効果的に働ける
  • より良い決断を下すために、異なるものの見方を養い、取り入れられる
  • 仕事をする上で仲間のバックグラウンドの違いを迎え入れ、それがもたらす影響をないものとするのではなく、むしろ積極的に知る努力ができる
  • 自分自身にも先入観や偏見があることを認め、それを乗り越えようと努められる
  • 誰かが不当な扱いを受けていたら、自ら助けの手を差し伸べられる

誠実さ

  • 正直かつ中立的で、誠意と透明性のある人だと周りから慕われる
  • 仲間について、当の本人に面と向かって言えないようなことは誰の前でも言わない
  • 自分の間違いを隠さず、素直に認められる
  • 意見の相違や相手の立場に関係なく、人には敬意をもって接せる

影響力

  • 重要な仕事を数多くこなせる
  • 常に高いパフォーマンスを維持し、仲間からの信頼を集められる
  • 仲間を成長させられる
  • 仕事の過程よりも結果を大切にできる

立派なバリューを書き出すのは簡単ですが、それを実践するのはずっと難しいことです。「勇気」の項目には「Netflixのバリューにそぐわない言動には異議を唱えられる」とあります。Netflixでは、すべての社員がこうしたバリューを実践できるようにお互いに助け合い、お互いの模範になることを目指しています。そのためには常に向上心を持ち続けることが必要です。

誠実さの項目には「仲間について、当の本人に面と向かって言えないようなことは誰の前でも言わない」とあります。これは特に入社したばかりの社員にとって、最も信じがたい(もちろん、実践するのも非常に難しい)項目かもしれません。社会的な場でも仕事の場でも、誰かについて思ったことをそのまま口に出す人は、たいていすぐに孤立し、人の輪から締め出されてしまうものです。Netflixでは、プロフェッショナルとしての建設的なフィードバックを、上下関係を問わずに社内全体で常に交換できるような環境作りを目指しています。誰でも間違いは犯すものだということを社内のリーダーたちが率先して認め、積極的にフィードバックに耳を傾けています。社員はいつも「どうすればもっとうまくやれるだろうか?」と周りに尋ね、「まだ仲間へ共有していないフィードバックはあるだろうか?」と自身にも問いかけます。

日ごろの仕事の一部としてストレスなく当たり前にフィードバックを交換できるようになれば、物事をより早く学び、社員同士が成長できます。Netflixでは、フィードバックを形式的に一定の頻度で与えるようなものとせず、常にお互いにコミュニケーションを取りながら交わすべきものとしています。たとえ実際に口にするのは気が引けるとしても、無私の心で仲間にフィードバックすることで信頼関係を築けます。フィードバックのやりとりがあれば、誤解を引きずることもなければ、ルールを設ける必要もなくなります。人と人の間にしっかりとした信頼関係があれば、フィードバックを交わすことはそう難しくありません。私たちが時間を費やしてでも社員間で信頼関係を築くことを重視しているのは、そのためです。Netflixでは、立場が上の人に対してでも率直にものを言う人が評価されます。このように率直にフィードバックを交わすという姿勢は、新しく入社した人や、めったに直接的な意見交換が行われない文化圏からくる人たちには難しく感じるかもしれませんが、アドバイスを与えたり実践的な例を示したりする仕組みをつくることで、社員全員がフィードバックの仕方を学べるようにサポートしています。

ドリームチーム

ドリームチーム1とは、すべてのメンバーがそれぞれの専門分野で卓越した能力を持つとともに、そのメンバーが極めて効果的にコラボレーションするチームのことです。ドリームチームの一員となることで、非常に大きな価値や満足感を得られます。Netflixが考える最高の職場は、ランチで寿司が振る舞われたり、大きなジムが備わっていたり、豪華なオフィスがあったり、頻繁にパーティーが開かれたりするような職場ではありません。共通の大きな目標に向かってドリームチームが切磋琢磨する場、それこそがNetflixが提唱する最高の職場であり、そのためには相応の投資もいといません。そのようなチームだからこそ、より多くのことを学び、最高の仕事ができ、急速に成長し、働くことを心から楽しめるのです。

一部のグループではなく会社全体をドリームチームで構成するのは大変なことです。そのためには、もちろん採用に力を入れる必要があります。コラボレーションを促進し、多様な考え方を取り入れ、情報共有をサポートし、不要な忖度を生まないようにすることも必要です。ドリームチームを追求するNetflixのユニークな考え方として、能力がいまひとつ振るわない社員に対して十分な2退職金を提示し、ポストを空けることでさらなる優秀な社員の雇用に力を注げるようにしているということが挙げられます。プロのスポーツチームであれば、コーチの仕事は、すべての選手が自分のポジションで素晴らしいプレーをし、他の選手と効果的に連携できるようにすることです。Netflixは自分たちを家族ではなくチームと捉えています。家族の根幹は無償の愛です。ですから、たとえ素行の悪い兄弟姉妹がいても無条件に愛さなくてはなりません。一方、ドリームチームで求められるのは、最高のチームメンバーになれるよう自分を高めることや、チームメイトを深く気にかけることです。そして、自分も永遠にはチームにいられないという可能性も受け入れなければなりません。

Netflixには業績のグラフやランキングも、「下位10%は毎年切り捨て」といった人員削減ノルマもありません。こういった一般的なルールに依存した単純なアプローチは、コラボレーションを阻害するので、Netflixでは取り入れていません。一方、Netflixではマネージャーが部下に対して行う「キーパーテスト」という判断基準を重視しています。あるメンバーが他社への転職を考えている場合、直属のマネージャーはそのメンバーを引き止める努力をするかどうかを天秤にかけます。これをキーパーテストといいます。マネージャーが引き止める必要はないと判断した場合、Netflixはその社員の意向を受け入れて直ちに十分な退職金を提示し、そのポジションにより適した人材を探して、ドリームチームを強化します。チームから切り捨てられることは残念でしょうが、恥ずべきことではありません。ドリームチームの一員として刺激的な日々を過ごしたことは自身のキャリアにおいて、そしてプロフェショナルとして良い経験になることでしょう。

Netflixにおけるドリームチーム指向に合わせて、チームメンバーの想定外の退職がないように、マネージャーはチームと綿密にコミュニケーションを取って彼らの状況や意向を逐一把握することが求められます。また、どの社員もいつでもマネージャーに「もし自分が退職を考えていたら、引き止める努力をどのぐらいしますか?」と尋ねることができます。正直さか優しさか、選択肢が2つあれば、私たちは正直さを選びます。ですが、どんなに正直に考えを伝えなくてはならない状況だったとしても、お互いに敬意を持って接します。

このようなドリームチーム指向の下では、失敗が許されないのではないかと思われるかもしれません。しかし実際はその反対です。私たちは進歩するためであれば、あらゆることを試しますし、間違いもたくさん犯します。キーパーテストは、その社員に期待できる貢献度を総合的に判断するために行うものです。

ドリームチームでは、チームメイトそれぞれが卓越した専門技能を持ち、他のメンバーとのコラボレーション能力も高いので、信頼し合って協力することでチームがうまく機能します。「無私の心」の項目には、「大切な仲間をサポートするために時間を割ける。情報はオープンかつ積極的に共有できる」とあります。私たちは新しくチームに加わる仲間を心から歓迎し、存分に能力を発揮できるようにあらゆる面でサポートします。

人は忠誠心を求めるものですし、忠誠心は組織を安定させる上で役立ちます。Netflixで仕事を高く評価されている人は、一時的にパフォーマンスが落ち込んでも許容されます。同様にNetflixが短期的に苦境に陥ったとしても、社員にはNetflixに残ってほしいと会社は考えます。しかし、停滞したビジネスに社員が無条件に身を捧げたり、能力がいまひとつ振るわない社員を無条件に受け入れたりするのは、Netflixのやり方ではありません。

ドリームチームには、有能だが協調性がない、いわゆる“Brilliant Jerk”には居場所はありません。チームワークにかかる負担が大きくなりすぎるからです。有能な人であれば、他人ときちんとしたコミュニケーションもとれてしかるべきと考えています。能力の高い人同士が協力して仕事をすれば、お互いの創造性や生産性が高まり、単なる個人の寄せ集めより大きな成功を、チームとして収めることができるのです。

ドリームチームで活躍するための鍵は、がむしゃらに働くことではなく、インパクトのあるパフォーマンスを見せることです。努力がA評価でもパフォーマンスがB評価であれば、丁重に退職金が提示されます。長時間働き続けるなどの労力がなくてもA評価のパフォーマンスを維持すれば、報酬に反映されます。もちろん、良い仕事をするために、たいていの人は相当な労力を費やします。しかしNetflixでは、長時間懸命に働くことを、社員の貢献度合いを測るための尺度とはしません。

ドリームチームに加わることは、必ずしもすべての人にとって正解とは言えませんし、向き不向きがあります。長期雇用を重視する人や、会社に安定性や年功序列制を求めたり、社員の能力差に幅がある方が良いと言う人もたくさんいます。しかし、有能な仲間に囲まれて働きたいという人にとって、Netflixは最適な環境です。

最高の仲間を採用し、Netflixに留まってもらうために、個人における最高水準の給与を与えます。Netflixでは、それぞれの社員が他社で受け取ることができるであろう最も高い報酬額を見積もり、その最大額を支払います。また、労働市場を鑑みて給与を年に1回見直します。これは単純に昇給とは捉えていませんし、社全体の昇給額を分配するという考え方でもありません。「並の社員には2%、優秀な社員には4%昇給」というような機械的なモデルでもありません。労働市場での個人の価値をそのまま本人の給与に反映します。中には、市場価値が急速に上がる (本人のパフォーマンスとその分野での人材不足という両方の理由で) 社員もいれば、素晴らしい仕事をしても、前年と比べて平均的な給与が大きく変わらない社員もいます。Netflixではいずれの場合も、常にすべての社員にとってそれぞれに最高水準の給与を与えます。

仮にNetflixが財政難に陥ったとしても、社員の給与を下げることはありません。スポーツチームであれば、たとえ今は負け越していても、再び勝利を収めることを願って選手に最高水準の報酬を支払うものです。逆に会社の業績が良い時であれば、全社員へ支給されているストックオプションが大きな利益をもたらします。

各個人の経済的な安定は、会社における年功ではなく、本人のスキルと評価によってもたらされるべきものです。Netflixでは、最高の仲間とともに難しい問題に取り組むことで多くを学ぶことができ、そうして身につけたことが社員の市場価値を高めるのです。Netflixを離れた社員がすぐ他社に就職しているという事実は私たちにとって励みになります。他社の面接を時折受けてみるのは健全なことです。そして他社の採用過程で経験したり学んだことについてマネージャーと話す機会を設けることも大切です。

Netflixでは最高のチームメイトがともに最高の仕事をしていますが、常に向上の余地はあります。自分たちの仕事にしっかりと自信を持ちながら、さらに上を目指して邁進し続けます。私たちは、目指す目標に比べたらまだまだ取るに足らない会社なのです。

フリーダム&レスポンシビリティ(自由と責任)

床にゴミが落ちていても、誰かが拾ってくれるだろうとそのままにしている会社もあれば、オフィスでゴミを見つけたら、そこが自分の家であるかのように社員が拾って捨てる会社もあります。Netflixは後者のような会社を目指しています。つまり、社員一人ひとりが常に責任感を持って行動し、Netflixにとって正しいことをするような会社です。ゴミを拾うというのはあくまでたとえですが、「自分の仕事ではない」とは考えずに、課題の大小に関わらず対処しようとする姿勢を求めています。実際のゴミにせよ仕事上の課題にせよ、それを目にした時にどう対処するかについて、Netflixではルールを定めていません。目指しているのは、そうした行動が自発的に行われるように社員全員が当事者意識を持つことです。

私たちの目標は、社員をマイクロマネージすることではなく、その背中を押し、インスパイアことです。すべてのチームがNetflixのためにベストを尽くしているという信頼があるからこそ、社員に大きな自由と裁量、そして決断に必要な情報が与えられます。それによって責任感が養われ自ら自分の行動を律し、会社の利益のためにいい仕事をしようという意欲が生まれるのです。

人は信頼され、自由を与えられ、能力を発揮することで成長していくものです。ゆえに、Netflixでは可能な限りの自由と裁量を社員に与えています。

多くの組織で、調整や承認といったプロセスが過度に重視され、裁量が制限される不健全な状況が生じています。そういった組織も初めは違ったのでしょうが、何かうまくいかないことあるたびにルールや制限が増え、プロセスによる縛りが厳しくなっていったのです。大半の組織は、規模がまだ小さい頃には社員に自由と裁量が与えられています。そこでは皆が顔見知りで、皆がゴミを拾います。しかし組織が成長するにつれ、業務が複雑化し、人材の平均的な資質や意欲のレベルが低下していきます。これまで形式にとらわれずに円滑に運営されていた組織がうまく回らなくなると、組織内に徐々に小さなカオスが生まれていきます。そうなるとたいていは、会社を“成長”させて典型的な管理手法やプロセスを取り入れカオスを抑制しよう、ということになります。ルールや手続きが増えると、組織の価値基準の体系は規則に従ったものに変わっていきます (報酬もそれに基づいて決まります)。こういった標準的な管理手法がもしうまく機能すれば、その会社の業務は、自社のビジネスモデルに基づいた極めて効率的なものになります。システムは万人向けとなり、クリエイティブな考え方をする人は現状に異議を唱えることを禁じられます。こういった組織は、専門性が高まり、自社のビジネスモデルにも順応していきます。しかし10年、100年経ってビジネスモデルを変えざるを得ない時が訪れると、そういった会社の大半は適応できなくなります。

自由を維持しつつも、過度な専門化によって融通が利かない組織になることを防ぎ、そして成長に伴うカオスを回避するために、Netflixは成長目標を考慮しながらできるだけビジネスをシンプルに保つことや、社員の能力を向上させ続けることに努めています。Netflixは、誰に命じられるでもなく自分で課題を見つけて対処できるような、自発性のある社員を持つ会社を目指しています。

Netflixではプロセスによる縛りが生まれることを防ぐため、社員3の裁量を増やすことに注力しています。以下は、具体的にどの程度大きな自由が認められているかを示す例です。

  • Netflix社内では、文書を広くシステマチックに共有しています。ほぼすべての文書を社員全員が自由に読んでコメントすることができ、あらゆる箇所に相互リンクが張られています。各作品の動向、あらゆる戦略的決定、あらゆる競合他社、あらゆるプロダクト機能テストに関するメモが、全社員に公開されています。多少のリークもあるものの、社員同士で十分な情報を共有することにはそれ以上の価値があります。
  • 支出に関する制約は事実上なく、契約締結の制約もわずかです。社員それぞれが、必要に応じて社内に助言や見解を求めます。「各自が適切な判断を」というのがNetflixの基本方針です。
  • 出張、娯楽、贈答品といった経費に関する方針はいたってシンプル。「Netflixにとって最大の利益になるよう行動すべし」です。
  • 休暇に関する方針は、単に「休暇を取るべし」です。1年に何週間までといったルールやそれに関する申請書はありません。実のところ、私たちは仕事の時間とオフの時間をあまり区別していなく、変な時間にメールをしたり、平日の午後に休みを取ったりします。リーダーたちも、自ら積極的に休暇を取り、新しいアイデアと一緒に職場に戻ってきます。こうして自分たちが見本になって、チームメンバーにも休暇を取るよう推奨しています。
  • Netflixの育児休暇方針は「子どもと自分の面倒をしっかり見るべし」です。子供が生まれたばかりの社員は大体4~8ヵ月の休暇を取っています。
  • 社員は毎年、報酬における給与とストックオプションの割合を選ぶことができます。すべて現金、すべてストックオプションなど、自分に合った割合4で構いません。リスクもリターンも自分次第です。このストックオプションは10年満期ですが、入社からすぐにでも権利行使可能で、Netflixを退社しても保有することができます。
  • ストックオプションによる離職制限 (ベスティング) がないため、利益を受け取るために会社に留まる必要はありません。社員はストックオプションを失うことなく好きな時に離職できますが、会社に残る社員の方が圧倒的に多いのが実状です。マネージャーには、最高の仕事と最高水準の給与のためにも、社員が働き続けたいと思える環境作りが求められます。

こんなに自由を与えたらカオスになると思われるかもしれません。しかし考えてみてください。Netflixには服装規定もありませんが、裸で職場に来る人は一人もいません。つまり、何でもかんでも基準を決める必要はないのです。たいていの人は、職場で服を着ることの利点はわきまえています。

この「ルール反対、自由賛成」理念にはいくつか例外もあります。特に倫理や安全に関する問題については、厳格に線引きしています。たとえば、社員のハラスメントやインサイダー取引は一切許容しません。Netflixメンバーの支払情報など、情報セキュリティ関連の問題については、アクセスを厳密に管理しています。Netflixの銀行口座から多額の送金を行う上でも、厳しい制限があります。しかしこれらは極端なケースです。

概して、間違いを防ごうと努めるより、各社員に自由を与えてリカバリー速度を上げる方が効果的です。私たちが携わっているのはクリエイティブなビジネスであり、安全重視のビジネスではありません。長期的に見てNetflixが恐れているのはイノベーションを起こせなくなることなので、間違いに対しては比較的寛容です。社員に優れた判断力があれば、間違いがあってもすばやく回復できます。厄介なのは、間違いの防止はとても良いことのように聞こえますが、多くの場合効果的ではないことです。間違いの防止に気を遣いすぎて、創意に富んだクリエイティブな仕事を妨げることがないよう、Netflixは常に注意しています。

まれに自由が濫用されることがあります。過去に、ある幹部社員がIT関連の契約からリベートを受け取ろうとしたことがあります。しかしこういったケースは例外的で、私たちは過度な軌道修正は行いません。一部の人が自由を濫用したからといって、社員を信用すべきでないということにはなりません。

間違い回避のためではなく、生産性を向上させるためのプロセスというのもありますが、より多くのことをこなせるようになるためならば推奨しています。Netflixでうまくいっている例としては、適切に予定されたミーティングが挙げられます。Netflixには定期的に行っているミーティングが多々あります。会議は時間通りに始まって時間通りに終わり、議題もきちんと用意されています。こういったミーティングは、間違い防止や承認のためではなく、お互いに情報を交換して生産性を高めるために行われています。

情報に通じたキャプテン

重要な決定が必要な際は、最終的な決定権を持つ代表者、いわゆるキャプテンを1人立て、社内の意見を聞いて理解した上で判断を下します。委員会方式で決断を下すのは時間がかかり、決定責任も説明責任も分散してしまうので避けています。Netflixでは積極的に反対意見も募ります。反対意見というのはなかなか自然には出てきません。だからこそ意識的に働きかけて異議を唱えてもらうのです。グループで集まり、懸案事項について議論することは多々ありますが、それを受けて誰かが“キャプテン”として結論を下さなくてはなりません。小さな決定であればメールで共有することもありますが、大きいものであれば、どういった観点で議論が行われたのか、なぜキャプテンはその決定を下したのかといったことをメモとして文書に残すこともあります。決定が重要になればなるほど、公開の共有ドキュメントで幅広く賛成・反対意見を募ります。しかし、多数決や委員会の決議によって決定を下さない方針は明確です。コンセンサスが取れるまで待つこともしませんが、情報を十分に共有しないまま性急に決断することもありません。決定権を持つキャプテンが、それが正しい判断だと合理的に確信できるのであれば、キャプテンが決断し、チームはその賭けを受け入れます。後からその決定による影響がはっきりしてくれば、もう一度振り返ってよく考え、今後はもっと良いやり方がないか検討するのです。

反対意見はオープンに

重要な課題について反対意見がある場合は、できれば対面と書面両方で、反対する理由を説明する責任があります。議論で意見をやり取りすればさまざまなものの見方が明らかになりますし、核となる問題を簡潔に書き出せば、何が賢明な選択か他の人が考える上で役立つ上、自分の考えを広く共有することもできます。決定権を持つキャプテンは、その意見に耳を傾けて理解し、考慮に入れる責任がありますが、必ずしも賛成するとは限りません。いったんキャプテンが決定を下せば、その決定が可能な限りうまくいくように全員がサポートしなくてはなりません。後から重要な新情報が入ってきたら、その問題について再考するようキャプテンに依頼しても構いません。反対意見があってもはっきり表明しなければ、それが受け入れられることもありませんし、生産的な結果ももたらしません。

コントロールではなくコンテキストを

Netflixでは社員それぞれの自立した意思決定を尊重しており、その決断が正しいか確信を持てない時にだけマネージャーに相談します。ですから、いずれのレベルのリーダーにも、部下が適切な情報をもとに良い決断を下せるよう、明確に状況や背景、経緯などのコンテキストを示すことが求められます。

会社のCEOや幹部が自社の製品やサービスの細かい部分にまで口を出して素晴らしい結果になった、というような逸話にNetflixは賛同しません。確かにスティーヴ・ジョブズは、マイクロマネジメントによってiPhoneという優れた製品を生み出すという伝説を遺しました。ところがその成功例を極端に捉え、“ナノマネージャー”を自称する人々が現れています。大手のTVネットワークやスタジオの上層部にも、自社コンテンツの制作プロセスにいろいろと口出しする人がいます。しかし、Netflixはそのようなトップダウンのやり方は取り入れません。全社員それぞれが自分で決定を下すことで、会社が最も効果的かつイノベーティブに機能すると信じているからです。

Netflixは、会社全体で社員の判断力を高めることを目指しています。私たちの自慢は、経営陣による決定が少ないことなのです。とはいえ、無干渉なマネジメントがよいと考えているわけではありません。各リーダーの役割は、部下を指導し、コンテキストを与え、現況についてしっかり把握することです。必要なコンテキストが十分に与えられているかを判断するには、具体例を詳細に検討する必要もあります。しかし詳細を知ることの目的は、マイクロマネージャーのように個々の細かい決定に影響を与えることではなく、より多くの優れた決定がなされるためにコンテキストの調整方法を学ぶことなのです。

「コントロールではなくコンテキストを」の原則にもいくつか細かい例外はあります。適切なコンテキストや原則について考えている時間がないような差し迫った状況や、新しく入ったチームメンバーがまだ十分なコンテキストを吸収できておらず確信が持てない時、また不適格な人物に決定権が与えられているとみなされた時 (あったとしても一時的な例です) などがそれにあたります。

社員は、自分の上司を喜ばせることではなく、業務に貢献することに集中しなければなりません。マネージャーに反対しても構いません。ダメなのは隠し事をすることです。マネージャーに対して「反対されることはわかっていますが、この方が良い解決策なのでそうしたいと思います。この決定を無効にする必要がある場合は教えてください」と言っても構いません。自分のマネージャーならどうするか、あるいはマネージャーが何を求めているかを推し量り、その推測にもとづいて何かを実行することはしないでください。

足並みは揃えつつ、それぞれが独立を

会社が成長するにつれ、中央集権化して柔軟性が失われることは往々にしてあります。たとえば以下がその症状です。

  • 経営陣がいろいろと細かい決定に口を出す
  • 施策を周知するための部署間の承認会議が頻繁に開かれる
  • 顧客を喜ばせることより、社内の他部署を喜ばせることが優先される
  • 組織内の連携が緊密なので間違いが起こりづらいが、動きが鈍くストレスがたまる

このような状況は、足並みを揃えつつそれぞれが独立することで避けることができます。Netflixでは、多大な時間を費やして戦略について皆で議論しますが、それが済んだらお互いを信頼し、事前の承認なしに施策を実行することもあります。同じ目標に取り組んでいる2つのグループが、お互い何をやっているのか把握していなかったり了承を得ていなかったりすることはよくあります。もし後でそのやり方に問題を感じたら、両者が率直に話し合います。戦略が曖昧すぎたり、合意した戦略に施策が沿っていなかったりする場合もあります。それを受けて、今後どうすればもっとうまくやれるかを話し合うのです。

「足並みは揃えつつ、それぞれが独立」した職場環境は、個々の高いパフォーマンスと効果的なコンテキストがしっかり噛み合ったときにうまく機能します。最終的な目標は、ビジネスを成長させ、より大きなインパクトを生み出しながら、柔軟性と機動性を高めることです。Netflixが目指すのは、「より大きく」と「より機敏に」の両立なのです。

さらなる高みを目指して

Netflixに入社した人の多くは、入社数ヵ月のうちに、ここに記されたカルチャーが実際に体現されていることを目の当たりにして驚きます。Netflixのカルチャーを実践し作り上げているのは世界中の社員です。事実、世界各地の何百人もの社員がこの文書の作成に貢献しています。

私たちはこのカルチャーにこだわり、守るだけでなく、今後も改善し続けることを目指しています。Netflixに入社した人は、皆一緒にこのカルチャーの発展に貢献しています。さらに多くのことを成し遂げるために、皆で新しいやり方を見つけ出します。数年ごとに、昔と比べてどれほど効果的に仕事ができるようになったか、私たちは実感します。私たちはこれまで以上に急速なスピードでさまざまな学びを吸収しています。それは、多様な観点を持った献身的な社員たちが協力し合い、どうすれば有能なチームがより団結し、迅速かつ効果的に働けるようになるか、新たな方法を常に模索しているからなのです。

まとめ

冒頭でお伝えしたように、私たちには以下のような特別な点があります。

  1. 社員一人ひとりの自立した意思決定を促し、尊重する
  2. 情報は、広く、オープンかつ積極的に共有する
  3. とことん率直に意見を言い合う
  4. 優れた人材でチームを構成し続ける
  5. ルールをつくらない

おわりに

「星の王子さま」の著者アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの次の言葉が、私たちの道標です。

船を造りたいのなら

人を呼んで材木を集めさせたり

仕事を割り当て

命じる必要はありません。

代わりに、果てしなく続く海への

憧れを説いてやりなさい。

1 “あなたにとっての夢のチーム”を意味しています。1992年オリンピックのバスケットボール米国男子代表チームのことではありません。

2 Netflixでは最低4ヵ月分の給与に相当する退職金を支給します。これにより離職した社員が次の仕事を探す時間的余裕が生まれます。

3 主に給与制で雇用されている社員に対して。時給制の従業員に関しては、法の定めにより多くの制限が生じます。

4 残念ながら、国によっては税法により社員が自由に選択できない場合があります (シンガポール、日本、フランス、韓国、台湾)。